雑誌ジャーナリズムの現場から

ジャナ現2006ー雑誌ジャーナリズムの現場からー

2006.12.30

12月1日(金)
 今日から晴れてフリーになる。講談社という出版社を定年になり、一介の素浪人になった。これから何が出来るのかを考えてみた。これまで出版という世界の端っこに寄生し生きてきた。それも、雑誌、ほとんどがジャーナリズム系の週刊誌や月刊誌だった。
 その雑誌ジャーナリズムが窒息状態になっている。背景は色々あるのだが、このままでは見るに忍びない。
 少しでも私にできることがあるとすれば、雑誌ジャーナリズムをもう一度活性化させるために何かできないかという「思い」である。
 そのためにこのブログを立ち上げた。以前は「編集者的日乗」というタイトルで書いていたのだが、今日から上記のようなタイトルに変えて再出発したい。
 この「ジャ現」は、私が「週刊現代」の編集長時代、編集部員たちに、自分たちの世界がどうなっているのか、今何が問題なのかを考えてもらうために始めたものだった。「雑誌ジャーナリズムの現場から」というタイトルだったのだが、短く縮めて「ジャン現」という愛称で長く続いた。それをここでも使わせてもらう。
 雑誌の現場で何が起こっているのか、何が今問題なのかをここで、私なりに考えてみたいと思っている。乞う愛読!

12月2日(土)
 今年も多くの親しい人たちが亡くなってしまった。身内では、カミさんの母親が11月15日に亡くなってしまった。10月初め、阿佐ヶ谷の病院で膵臓がんが見つかった時点で、あと1ヶ月か3ヶ月といわれたのだが、あっという間のことだった。享年83歳。
 私の母親も11月27日に亡くなっている。11月24日は私の誕生日だ。
 もう一人、11月に亡くなってしまった友人がいる。25日に亡くなった清野真智子さん。享年53歳。彼女は乳がんが転移して闘病していたが、力尽き、生まれ故郷、福島の病院で亡くなってしまった。
 彼女とは古い付き合いである。私が「婦人倶楽部」という雑誌にいるとき、彼女が「「週刊サンケイ」(休刊)に書いた記事を読んで会いに行った。清楚な美人で、週刊誌の記者をやっている人とは思えなかった。
 それが縁で、われわれがやっている飲み会に顔を出すようになったが、たちまちのうちに、われらがのん兵衛たちのマドンナになった。
 その頃、彼女は、産経新聞にいる妻子もちの年上男性と恋仲で、酔いに任せて、その辛い話を聞いたりしたこともある。
 筆力、取材力に合わせて、歌も上手かった。本人は、かつて場末のキャバレーだかクラブの歌手だったといっていたが、あながち、嘘とも思えないほどの歌唱力だった。よく、新宿のカラオケスナック「レモン」でわいわい歌い狂ったものだった。気が付けば朝方だったこともたびたびだった。
 「週刊サンケイ」が休刊になるとフリーになり、健筆を振って、「週刊ポスト」の花形ライターになった。「週刊ポスト」のトップをたびたび書いた。
 今から20年ほど前、私が北朝鮮に行って帰ってきて飲んだことがあった。彼女は「乳がん」(彼女の友人は、「乳腺炎」だというのだが)にかかって治療したことを話してくれた。再発の心配もあると、苦しそうな表情を見せた。
 とき折り不安げな翳を見せることはあっても、明るく、派手な姉御肌なところは変わらず、「マチコ」「マチコ」と慕われていた。
 彼女が「週刊ポスト」を離れたとき、私が編集長をしていた「週刊現代」で、2ページのインタビューを、彼女に連載してもらったこともある。
 本が好きで、いつも、飲み会の場所に早めに着いて本を読んでいた姿を思い出す。
 彼女には何度も「本を書いたら」と勧めたが、いつも、「いつか」と答えるばかりで、書こうとしなかったのが、今になってみれば不思議でならない。彼女にとっては、いつでも書ける、そう思っていたのかもしれない。
 昔付き合っていた年上の男性が亡くなったときの彼女の激しく悲しい表情が忘れられない。「ラブ・イズ・オーバー」を絶唱している姿が忘れられない。
 父親が亡くなり、年老いた母親一人になったこともあるのだろう。彼女は、生まれ育った福島の飯坂温泉に帰っていった。
 以来、年に数回顔を合わせるぐらいになったが、いつか、お前さんの故郷へみんなで行って飲み明かそうと約束していた。
 体調が悪いらしいと聞いたのは大分前のことだった。乳がんが再発したのではと心配していたが、弱みを他人には絶対見せない彼女だから、何度か送ったメールや手紙にも、返事はなかった。
 後で聞いたが、末期のがんで苦しいにもかかわらず、母親にも苦しいとはいわなかったそうだ。
 見舞いに行っても、会いはしないだろうと、友人たちと話していた。一言も声を掛けないうちに、突然、静かに去ってしまった。残念だ。

12月4日(月)
 ノンフィクション・ライターの本田靖春さんの命日である。亡くなったのは04年だから三回忌になる。
 先日、講談社から、昔の対談集が出版された。中身ももちろんだが、その表紙の本田さんの顔がすばらしい。誰かが、この本は、本田さんを大好きな編集者が作ったものに違いない、そうでなくては、これほど愛情あふれた本は出来はしないというようなことを書いていたが、そのとおりだ。
 その編集者だけではない。本田さんと会った人は、みんな本田ファンになってしまう。それほど人間的魅力のある人だった。あの、本田さんの話を、もう一度聞いてみたい。今の時代を、これからの世の中の流れを、本田さんならどういうのだろうか。

12月7日(木)
 弘済会館で「マスコミ情報研究会」の忘年会。私が司会を務めた。
 懐かしい顔でいっぱいだった。初めに、私事で恐縮ですがと断って、講談社を定年退職したことを報告。次に、この会のマドンナだった清野真智子さんが亡くなったことを話す。
 みんなで「献杯」をする。30回近くになる「マス研」の忘年会で一番悲しい年になってしまった。
 私も含めてみんな歳をとった。しかし、会場には、これからの時代を受け継ぎ、頑張っていこうとしている若い顔も多く来ていた。
 いつも中締めをお願いしている二瓶正也さんが所用でこられなかったのが残念だが、暖かい雰囲気のいい会だった。二次会はいつもの「さくら水産」。評論家の宮崎正弘さんが珍しく酩酊。「エルネオス」編集長の市村直幸さんに送ってもらって帰宅。

12月8日(金)
 三推社の出版部の人たちが「歓送会」をやってくれた。神楽坂の最近出来た店なのだろう、中二階の隠れや風の落ち着いたところだった。
 三推社には5年近くいた。私の席があったのは出版部だった。向こうはどう思っているかわからないが、暖かい、居心地のいい編集部だった。私には全くわからない「BUS MAGAZINE」など、バスだけに特化した雑誌を出して、これがなかなかの売れ行きなのだ。
 少ない人数で、毎月かなりの数のムックや単行本を出すのは、大変なことだが、みんな黙々と仕事をこなしていく。職人集団といえる編集部だった。
 「何もできなかったけど、ありがとうございました」と挨拶して、次の「歓送会」、銀座へ駆けつける。
 「週刊現代」の加藤晴之編集長たちが集まってくれているのだ。
 藤谷英志、乾智之、古賀義章、舩川輝樹、藤田康雄、それに「週刊現代」のお手伝いのきれいどころ、田中嬢と山田嬢。みんな懐かしい戦友たちだ。
 新年合併号から大幅リニューアルするそうだ。格闘技集団「プライド」と暴力団との癒着問題。怪しい占い師・細木数子の経歴暴。JRに巣食う革マルの親玉、JR総連の松崎明追及と、このところの「週刊現代」は元気がいい。
 この勢いに部数がついてくれば鬼に金棒。「週刊ポスト」は部数追求をあきらめ、30万程度でも黒字化する路線をとるそうだ。ライバルが日和ってしまうことは残念なのだが、月曜日を活性化させるのは「週刊現代」しかない。がんばれ!と檄を飛ばして深く酩酊する。

12月9日(土)
 大手町の「サンケイプラザビル」で友人の豊田勝則さんが出る、カラオケ大会「三略会紅白歌合戦」に行く。
 12時過ぎから始まって、延々、7時近くまでやるそうで、総勢は6,70人になるのだそうだ。豊田さんは、1時半頃登壇。越路吹雪の「ろくでなし」を歌うのだそうだが、その衣装がものすごい。
銀ラメのキラキラした胸明きのドレスで胸に詰め物を入れてすごいボイン。ロングの銀髪につけ睫毛、アイシャドウ、手には深紅のマニキュア。すっかり越路吹雪ならぬ美輪明宏に変身。会社の女の子たちを従え、流し目しながら「ろくでなし」を絶唱。
 これなら、新宿二丁目は無理でも、錦糸町ならナンバー10ぐらいにはなれる。

12月10日(日)
 大正大学を終わって、六本木に急行。「アド・エージ」の今井照容さんがご苦労さん会をやってくれる。
 途中から、インターノーツの井内さんも来て、三人で、出版会の現状を慨嘆しながら、おおいに盛り上がる。

12月11日(月)
 今週は「週刊ポスト」が気を吐いている。「本間正明税調会長『愛人と官舎同棲』をスクープ撮!」がそれだ。リードに「企業ばかりに優しい『税制改革』へと移りつつあるが、さらにその裏側で、納税者たる国民に対するとんでもない背信行為が続けられていた」として、改革の旗振り役である本間税調会長が愛人と同棲し、血税を無駄遣いしていたことを告発したのだ。
 12月1日に本間会長は、安倍首相’に07年度税制改正答申を提出したばかりなのだ。そこでは、企業減税は打ち出したものの、住民税率を引き上げることを検討するとうたってある。
 同誌の「現場の磁力」では、65歳以上に市役所、税務署から恐怖の通知が届いていますとして、住民税が昨年0円だったのが、今年は3万円。所得税は去年5000円だったのが今年は3万9200円。「老年者控除」が廃止され、「公的年金等控除」が縮小された結果なのだ。
 このため、全国の高齢者のうち500万人が苦境に追いやられ、1600億円の増収が見込まれるそうだ。
 一方で政府は、経団連と税制調査会に、法人税を引き下げるアドバルーンを揚げさせ、これによって企業からの税が4兆円減るという。
 その税制調査会の会長たるものが不倫に現を抜かし、それも官舎で一緒に住んでいたというのだから、腹が立たないやつはいない。否、弱者ではない。
 記事は、大阪にいる本間氏の奥さんにも取材し、彼女も事実を認めている。
 こんな輩が、数字だけいじくって、国民にこれ以上の負担を強いるというのだから、安倍首相の汚点になることは間違いない。まことに時機を得たスクープである。
 それに、経団連の御手洗富士夫会長というのはおかしくないか。この日、朝日新聞が「御手洗ビジョン原案 財政再建のシナリオ盛る」というタイトルで、こう書いた。
 「11日に明らかになった日本経団連の将来構想『希望の国、日本』(御手洗ビジョン)の原案では、企業減税の必要性が強調されている」として、「御手洗ビジョンは、企業減税を競争力強化や生産性向上のための道具と位置づける。法人実効税率の10%引き下げに加え、事業用資産の固定資産税廃止、設備投資時の税額控除など、ビジョンには企業負担の軽減につながる要望が満載だ」
 「税制改正などでの企業の負担軽減によって、2015年までに国内総生産(GDP)が大幅に伸びると」し、強気ばかりが目立つと朝日は書いている。
 しかも、財政の抜本的な再建については、減税などによる企業の競争力向上だけでは不可能で、社会保障給付の伸びを抑え、そのうえ、消費税を3%程度増やすか、社会保障以外の歳出を毎年4.4%程度削減することが必要だ、と指摘しているのだ。
 その上、憲法改正、愛国教育なども盛り込まれているというのだから、何をかいわんやである。たかだか一企業の社長が、安倍の尻馬に乗り、教育から憲法改正にまで口を出すとは、度を過ぎていないか。
 このままでは企業栄えて民枯れる時代がまもなく来る。いや、もう既に来ている。メディアよ!もっと国民に、こいつらの悪行を知らせてくれ。

12月12日(火)
 昨夜のテレビを見ていて驚いた。
 厚生労働省の懇談会がパーキンソン病と潰瘍(かいよう)性大腸炎の軽症者を、医療費の公費負担対象から外す結論を出したというのだ。
 「パーキンソン病」で「3」程度は軽いから補助はなし。私の父親は晩年、この病気で震えがとまらず、飯を食うことさえもままならなかったが、「3」程度でしかなかった。
 テレビで、「潰瘍性大腸炎」の女性が出ていたが、彼女はまだ若いのに、日に10数回もトイレに行かなくてはならず、職も見つからないために親掛かりになっている。その親も定年を間じかに迎え、彼女は不安でならないと話していた。
 「パーキンソン病」の対象者は7万人、「大腸性潰瘍」のほうは8万人だといわれるそうだ。こんな弱者のカネを取り上げ、役人や政府の無駄遣いにメスを入れない懇談会の有識者とはどんなやつなのだ。雑誌ジャーナリズムよ、この連中の名前と顔写真、それに連絡先を公表してくれ。有識者ではなく、バカの集まりを無くさなければ、弱者はますます切り捨てられていく。

12月14日(木)
 新聞広告を見て、「週刊新潮」を買う。石原慎太郎と知事のスキャンダルで、裏金をつくった女性が証言している。元々は赤旗のすっぱ抜きなのだが、よく調べてある。三選を目指すという都知事には、自称画家で四男・延啓のスキャンダルに続いて、頭の痛い醜聞だろう。
 今度こそ、野党側が、若くて清新な統一候補を押し立てて戦えば、勝てる喧嘩になる。威勢ばかりで、極右、偏見、耄碌(もうろく)した都知事にはもう引いてもらわなければ、夕張市と同じように、東京も都知事や役人たちの無駄遣いで破産するのは間違いない。
 久しぶりに「週刊女性」を買う。「乗馬、ジュエリー展や音楽会へのお出かけばかり…のなぜ?『公務をしない』雅子さまの真相」が読みたかったからだ。それにしても、最近の「雅子さんバッシング」はひどすぎないか。傍目には、精神的に立ち直ってきたかに見えるだろうが、彼女が受けた心の傷は、一生続くかもしれないほど大きなものだと思う。
 自分が望んだ結婚ではない。泣く泣くといってもいいはずの御成婚だった。その上、子供を産むマシーンのように扱われ、生んだはいいが、女の子ではお世継ぎになれないと、周りからも、国民の間からも批判を受けた。その挙げ句に、精神的に不安定になったことを考えてあげなくてはいけない。
 皇太子と離縁させて、新しい妃を迎え、彼女に男の子を産ませようと企む者たちがいると、一部で報じられている。彼女は、離縁されるのではなく、ダイアナ妃のように、自分から「人形の家」を出て、外国で自由に生きたらいい。そう思うのは、私ばかりではないはずだ。
 夜、山田洋次監督の「武士の一分(いちぶん)」を見る。
 「山田監督の藤沢周平時代劇三部作の最後。主演に木村拓哉を迎え、幕末に生きる武士の名誉と夫婦のきずなを描く。妻役の檀れいやかたき役の坂東三津五郎ほか、緒形拳や桃井かおりなど、日本を代表とする実力派俳優が勢ぞろいする。『武士の一分』とは、侍が命をかけて守らなければならない名誉や面目の意味」(Yahoo!映画から引用)
 殿の毒味役だったキムタクが、腐った魚に当たって失明してしまう。三十石を召し上げられて放り出されると心配した妻が、上役の所に頼みに行って、手込めにされてしまう。
 それを知ったキムタクが、妻を離縁し、その男に果たし合いを申し込み、見事、片腕を切り落とすところがクライマックス。ところが、このまま寂しい後人生を送るのかと思ったら、妻が戻ってきてめでたしめでたし。
 山田監督がつくると、何でも「寅さん」になってしまう。これに近い映画が同監督の「幸せの黄色いハンカチ」。みんな最後はめでたしめでたしのハッピーエンドだが、こういう映画をつくらせると、この人はうまい。
 木訥な下級武士を演じるキムタクは、思っていたより悪くない。かえって、素人臭いぎこちない演技が、最後のハッピーエンドを泣かせるものにしている。
 第一作「たそがれ清兵衛」は、宮沢りえが素晴らしかったから、少し老け顔の壇れいは見劣りするが、二作目「隠し剣 鬼の爪」よりは、面白く見た。
 賞の対象になる映画ではないが、見に行って損はない。

12月15日(金)
 夕方、「マスコミ情報研究会」の猪坂豊一さん、評論家の宮崎正弘さん、「週刊現代」の近藤くんが遊びに来てくれる。
 宮崎さんが持ってきてくれた焼酎で乾杯した後、近くのおでん屋の名店「志乃ぶ」へ行く。わいわいやっていると、店のアルバイトの女の子から「元木先生ですね」と声をかけられた。早稲田大学の教室で10月27日に行った、学生主催の奥島孝康前総長との「対論」ででも見かけたのだろうか。
 思わず、新しい名刺を手渡してしまった。すると、帰り際に、カメラマンの北山宏一さんから「お久しぶりですね」と声をかけられた。
 いやはや、いろんな人に会える店だ。近藤くんは年末進行で取材に行って、宮崎、猪坂、三人で、リーガロイヤルのバーへ。
 帰りに高田馬場のTSUTAYAへ寄って「24 シーズンⅤ」の2,3,4を借りる。シーズンⅢまで見たのだが、どうもマンネリになってきたので、そのまま見ていなかったのだが、知人に、Ⅴが面白いといわれて、試しに「1」を見た。いきなり前大統領が暗殺されてしまうところから始まる。期待できそうなので、続きを見るが、酔いが回り途中で寝てしまう。

12月16日(土)
 西武の松坂大輔がレッドソックスに6年契約、総額60億円で決まったと、スポーツ紙が大きく報じている。1年10億とはたいしたものだが、松坂にとってよかったのだろうか。
 代理人は、自分のマージンを多くするために、最初は1年で17億と吹っかけたそうだが、あまりにも非常識といわざるを得ない。
 まだ、大リーグで投げたこともないピッチャーで、相当、若いときから肩を酷使してきた選手なのだ。地元でもだいぶブーイングがでていたそうだが、当たり前だろう。最後は松坂本人が決めたそうだが、それでよかった。
 来年は、大リーグで通用するか試してみればいい。10勝以上あげたら、胸を張って年奉交渉に臨めばいいのだ。今年はいくらでもいいから、結果を見て決めてくれといえば、もっとかっこよかったのにと、惜しむ。
 安倍首相がどうしてもこの国会で通したかった、「教育基本法改正案」が参院本会議で与党の賛成多数で可決され、成立した。困ったものだ。
 「戦前の反省から『個の尊重』をうたった基本法が、59年を経て『公の精神』重視に転じた」と朝日新聞は報じている。「国会での論戦では、教育への国家介入強化の懸念も指摘された。『教育の憲法』とも呼ばれる基本法が改正されたことで、来年の通常国会以降、多くの関連法や制度の見直しが本格化する」(同紙)
 いじめによる自殺や格差問題など教育現場の荒廃の一因は、教師たちが、生徒を見ず、校長や教育委員など、上ばっかり見て、顔色をうかがうことが「仕事」と勘違いする教師たちが増えたところにあるのだ。
 こんなものが施行されれば、教育現場はますます萎縮し、教師たちは、受験用の授業だけにしぼって、人間はいかに生きるべきかを考えさせ、国家はそこに介入してはいけないという、当たり前のことでさえ、教えられる教師はいなくなってしまうだろう。
 国を愛する心は、教えて詰め込むものではない。今の日本がそれに値しない国になってしまっているから、多くの若者が、この国を愛さないのだ。
 少し話が変わるが、来年のキーワードは「反米」になると、私は思っている。中東だけではなく、中南米も、ヨーロッパも、「反米」または「嫌米」でまとまってきている。この流れは、これからもっと大きくなる。アメリカの金魚の糞でしかない日本は、その「反米」の嵐の中で孤立し、かつてそうだったように、追いつめられて、無茶な戦争への道を突っ走らないとはいえないのだ。
 真のリーダーならば、そんな方向へ舵を切った前首相のやり方を改め、自国だけではなく、世界を愛せる人間教育こそ大事だと思うはずだ。
 安倍首相は、この法案を成立させたことだけでも、批判されてしかるべきだ。
 朝、少し重いものを持って階段を上がったら、腰が重いなと感じた。すると、しばらくして、痛みが出て、ぎっくり腰になってしまった。 近くの外科に行くのも大変で、足を引きずるように一歩一歩、重い足を運んだ。「歳」という言葉が実感になってきたか。