
マスコミ業界回遊日誌
2008.10.01
9月24日(水)
夜、新宿区役所前の「ひもの屋」で、三栄書房が発行している「マガジンX」神領貢編集長と私の担当者の有賀香織さん、同じく、そこで連載している横山康博弁護士たちと呑む。
このメンツで呑むと、いつもながら、とりとめのない話しに興じながら、いつしか呑みすぎてしまうのだが、この夜も同じパターン。いいかげん呑んでから、ゴールデン街を覗く。知り合いの店に入ったが、店の人間も、呑んでいる客も、高齢化が進んでいる。新しい店もずいぶんできているようだが、やはり、こうした古くからある店に限るのだが、そのうち、限界集落化していくのだろう。暮れに忘年会をしようと約して別れる。
9月25日(木)
新書の打ち合わせのため、ホテルニューオータニのレストランで、野村沙知代さんと会う。
オフィスに戻り、高齢福祉について、考えをまとめる。
9月26日(金)
Biglobeの日置徹さんと泉カントリー倶楽部でゴルフ。天気が心配だったが、後半の出だしだけパラパラ来たが、すぐに上がり、爽やかなゴルフができた。これは、スコアのことではないが。
夜、オフィスで、明日の大正大学でのシンポジウムについての原稿をまとめる。
9月27日(土)
西巣鴨の大正大学で開催される「人間福祉フォーラム」に登壇するため、昼に赴く。
これは、大正大学に「社会事業研究室」ができてから90年が経つことと、来年、「アーバン福祉学科」ができることを記念して開かれるものだ。
テーマは、「都市社会における人間の幸せ」。パネリストは、私の他に、プレーパークせたがや理事の天野秀昭氏、環境アナリストの木元修一氏、ポピンズコーポレーション代表取締役の中村紀子氏、司会は野田文隆教授。
木元さんは、以前、彼が損保会社にいたときに知っている。
会場には、学生、来年受験する学生と父兄など600人ぐらいが集まっている。
私は、いち編集者で、福祉の専門家でも何でもないと断り、こう話し出した。
「先日の新聞で、高齢者が高齢者を世話する70歳以上の『老老介護』世帯の割合が、初めて3割を超えたことに驚いた。
独居高齢者は、全国で約400万世帯いる。これは、65歳以上の人がいる全世帯のうちの22%で、これに夫婦ともに高齢者だけの世帯を加えると、高齢者世帯の51,2%が単身か高齢者だけの世帯になる。高齢女性の5人に一人、男性の10人に一人が一人で暮らしているのだ。
中でも深刻なのは、首都圏の団地で、ここは独居老人が多く、東京の都営戸山団地では、借り主の72%が65歳以上で、全世帯の46%が一人暮らしなのだ。
阪神淡路大震災以後、仮設住宅で「誰にも看取られずに死亡する」孤独死(神戸新聞が付けた)が大きな社会問題化してきている。
復興住宅(旧仮設住宅)では、2007年だけで、孤独死が60人、この8年間で500人を超える。ここの平均年齢は75歳、高齢化率46%にもなる。
しかし、これは復興住宅だけでの話しではなく、他の地域でも、似たようなところが増えてきているのだ。
全国で、「孤独死」をなくす様々な取り組みが始まっている。それを取材するうちに、独居の高齢者が、身体に異常が発生したとき、ボタンを押せば救急車が駆けつけてくれる緊急通報システムというものがあることを知り、取材して、今春、ダイヤモンド社から『孤独死ゼロの町づくり』という本を出した」
学生たちに、福祉とか介護とかいうと、報酬が安い、仕事がきつい、汚れるなど、マイナスイメージが多いが、これから介護事業などは、民間ではなく、ボランティアかNPO法人がやる時代になる。
NPOを自分たちで立ち上げてやろうと、起業するぐらいの気構えでやってほしいと話した。
終わって、豊田勝則さんと、10月1日の、笛吹市の講演について打ち合わせ。
9月29日(月)
夜、新宿「樽一」で開かれた、鯨を食べ尽くす会に出る。「エルネオス」市村編集長、段さん、伊藤さんなどと、鯨の脳みそから、訳のわからないところまで、次から次へと出てくるのを、片っ端から食らう。鯨飲馬食ならぬ、鯨飲鯨食。
そこを出て、新大久保の韓国料理屋で口直し。
9月30日(火)
朝、梨元勝氏と打ち合わせ。10時半にいったら、汗をかきながら戻ってきた。毎朝、家の周辺を「1万歩」歩くことを日課にしているというのだ。だいたい1時間20分ぐらいかかるそうだが、私にはとても真似はできない。
午後、脳死や植物状態になるのを防ぐ「脳低温療法」を開発して、死の1歩手前に陥った多くの命を救ってきた林成之・日大大学院総合科学研究科教授に「エルネオス」の取材でインタビューする。
私より6歳ぐらい上のはずだが、若い、元気だ、話しが面白い。
「勝負脳の鍛え方」という本を現代新書から出して話題になっている。これは、勉強も運動も、脳を鍛えれば、できるようになれるというのだ。例えば、キャッチボールでも、バスケットボールでも、「胸元へ投げよう」という意識を持って投げるとそのとおりに投げられるのは、うまくいったときのイメージを脳が記憶していて、その時の動作を身体に再現させているからなのだ。ゴルフのパットでも、グリーンにおける転がり方に注目すればいい。脳がイメージするとおりのパッティングの成功を積み重ねていくと、カップとボールを見ただけでカップインできる脳が生まれてくるというのだ。
目から鱗が落ちるとはこのことをいうのだろう。水泳の北島康介選手たちにも、勝負脳の鍛え方の講義をしたから、北京オリンピックで成果を出せたのだそうだ。
ちなみに、林先生は、最近ゴルフを始めたそうだ。元々スキーはやっていたから足腰は強いのだろうが、「いくつぐらいで回るんですか?」と聞いたところ、最近忙しくてあまりやっていないのですがと前置きして、「80です」といわれて絶句。さすが、勝負脳を持っている人はすごい。
10月1日(水)
朝、山梨県笛吹市の社会福祉協議会が開催する「第1回笛吹市社会福祉大会」で記念講演するために豊田さんと出発。テーマは、「自分の老後は自分で守る ジャーナリストからみた福祉の町づくり」。
第一部の式典が1時半から始まり、社会福祉協議会の中村悦子局長の司会で、民生委員やボランティア活動で功労のあった人たちの表彰式。休憩を挟んで、いよいよ私の講演。
福祉の専門家ばかりの前で介護や福祉の話しをすることは、なかなか、心の準備が大変だったが、話し始めりゃ何とかなるものだ。
前半は、私の編集時代の話し。それから、親父の介護の時の話しをして、最後に、地域の福祉はどうあったらいいのか、私の考えを述べて終了。全部で1時間半。
寝る人もなく、やれやれとひと安心。
講演料とブドウのおみやげをもらって、帰途につく。6時中野着。
豊田さんの会社の美人社員たちを誘って、新井薬師の「ひもの屋」で呑む。日本酒がうまい。うますぎる。美人社員たちが絶世の美人に見えてくる。危険水域寸前。またまた酔っぱらいになって、薬師の夜は更けていった。

